
政権が変わり、もうすぐ三カ月。新政権はこれまでの事業を踏襲するかどうか、仕分けの最中です。新政権といえば、環境問題を政策の目玉の一つにしています。その中でも私たち建築業界にとって関心が深いのが、一般住宅での太陽光発電です。
新築する住宅のすべてが太陽光発電をできるようにするという動きがあります。湘南というイメージには太陽光発電はぴったりなのですが、住まいというハードウェアを考えると、手放しで喜べるものではありません。屋根の上に大きな太陽発電パネルを設置することで、まず、建築物の躯体に大きな荷重がかかります。また、屋根上にパネルを設置するための足をつけるなど工事が必要となり、特に塩害対策が必要なこの地域では設置部分の耐食性、耐久性も考えなければなりません。また、効率よく集光するためにパネルを向ける方向が限られるため、屋根の向きや勾配も限定され、街並も景観的につまらないものになってしまいます。マンションの上層階から眺める晴れた日の街並はソーラーパネルの反射で眩しくて、まともに目を向けることができないという可能性もあります。暑い夏の日にはこの眩しさは心理的な暑さにつながり、体感温度以上に不快に感じることでしょう。
日本の家屋では古来から、瓦葺きや藁葺き、茅葺きなど、断熱性の高い屋根材を使うことにより、快適な住空間と景観を創り出して来ました。また、近年は屋上緑化や壁面緑化により、建物が光や熱を吸収する温暖化防止対策も進められていました。ソーラーパネルの角度や反射熱によって空気の流れが変わることによって、想像もしていない気象的な変化が起こることもあり得ます。太陽光発電によってもたらされる光熱費の収支も、ソーラーパネルの汚れや劣化による発電効率の低下やメンテナンスに費やす費用などを考えると、シミュレーションの数字を維持できるかは疑問です。ソーラーパネルもメーカーによって保証の内容が異なるようです。個人的に太陽光発電を導入したいという人の計画には反対はしませんが、すべての新築住宅に太陽光発電を導入しなければならないという政策には疑問です。
ダムの建設問題に象徴されるように、政権交代によって、これまでのポジティブな意見とネガティブな意見が逆転しました。誰もが、立ち止まってほんとうにいいものは何かを考える、いいきっかけができました。新築住宅の太陽光発電の問題も、環境政策という世相の流れから離れて、さまざまな情報や想定される状況をもう一度検討した上で、進めてほしいと思います。
さて、当社では注文住宅の建築を進める一方で、新しい住まいのスタイルをデザインや住み方に反映させたコンセプト住宅を皆さまにご提案しています。今年も6月に旭が丘で、9月に鵠沼藤が谷で新しいコンセプトハウスを発表し、その住まいや環境に共感していただいたお客様にお譲りしました。そして、この11月初旬に、「プライマ2010」の新しいコンセプトハウスを完成しました。今回は試みにインテリアを入れて、これまでのような空間という視点からではなく、暮らしのご提案をさせていただいています。自然素材に包まれた開口部の大きな陽当たりのいい室内とゆったりとした時間を感じさせる北欧のヴィンテージ家具。完成直後に行われた現場見学会でもご好評をいただきました。
コンセプトハウスの仕様や見学のご希望など、詳細は当社までお気軽にお問合せください。


